2009年1月17日土曜日

四谷シモン人形館 淡翁荘

数日前が30ウン周年の結婚記念日だった。今回はそのイベントとして、連れあいが「ミステリーツアー」を計画。朝10時半に車に乗ったものの、行く先は闇。

一番最初の訪問地は「ヤマダ電機」。何と加湿機を買ってくれるという。ファンヒーターで喉をやられ声がでなくなった私へのプレゼントだそうだ。チラシをみて5千円程度の出費予だったらしいが、売り場の係りが勧め上手で、結局、気化式(蒸気が出ない)ハイブリッド(電気代が安い)の上等の品を買うこととなる。散財させました、ありがとう。

「ついでにすぐそばのユニクロに寄ってほしい」と告げたところ
「ツアーコースに入ってますがな」との返事。ここで普段着を調達。

そろそろお昼となったころ、車を駐車場へいれ、そこからS市のさびれた商店街を散策。通ったことのない路地で、怪しげなラーメン屋へ入る。ごくごく普通のラーメンで500円。ちょっと脂が浮きすぎだったかな。味はまあまあ。でも、店がちょっとバッチいかった。トイレを借りたら、迷路のようなご自宅の中のどん詰まりにあり、靴を脱いであがることとなったし。連れあいも「どんな店か覗いてみたくて」ここを選んだそうだが、せっかく連れていってくれるのだったら、せめてリサーチ済みの店であって欲しかったなあ。

しかし、小さな不満が次の訪問地でふっとんだ。以前から気になっていた鎌田醤油別邸にある「四谷シモン人形館 淡翁荘」だったからだ。
人形、というかヒトガタといっそ呼んだほうがいいような精巧なつくりのそれに圧倒された。




しかも、これ以上の場所はないと思われる、地方の財閥の別邸に飾ってある、というより以前からそこに人形が住んでいたに違いないと思われるようなところにいるのだから。異界に迷い込んだ気分になった。




「キリスト」を意識した人形があったが、シモン氏の投影に思えた。この画像はシモン氏の自画像だとか。美しい人だ。人形は大きな部屋にいるものもあったが、数体は押入れや納戸や、トイレや風呂場だったところにも何体か置いてあり、そこはお客自身がおそるおそる扉をあける仕組みとなっている。


















受付の、ゆで卵のようなつるりとした顔の女性に「くれぐれもびっくりなさらないように」と念を押されたが、実際に人形をみて心臓がとまりそうになった。私たちのほかにもう一組の若い男女が2階にいたようで「キャー」という女性の声が聴こえ苦笑した。


昭和初期の贅を尽くしながらも華美でない別邸がこれまた素晴らしかった。特に「頭部」が飾られた特注の机にベタぼれしてしまい、いくどもいくども触った。こんな机で、少年、少女時代を送った人がいるのね、と嫉妬が湧いてきた。

ツアーのとどめは、宇多津町の「珈琲蔵人」でティータイム。人形館でもお茶できたのだが、あまりにも雰囲気が異界過ぎて落ち着かないので、場所は私がリクエストした。人気のある店で店内は辛うじてテーブルが一つ空いていた。「雅」(連れあい)「公達」(私)とそれぞれ異なる名前のブレンドを注文。珈琲代がおよそ530円~550円で、これ+100円で画像の和菓子がつく。このセットが気にいっている。店の中庭ではモズが尾を上下させてキーキーないていた。その声を聴きながら呑む珈琲はおいしかった。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

四谷シモンのお人形は、若い頃からの憧れでしたが未だに実物と対面した事がありませんので、とてもとても羨ましく見せて戴きました。ありがとうございました。
ご紹介して頂いたので、いつか行ける日が来る事を願ってやみません。

それにしても、ぬぁんて粋なご夫君でございましょう(^o^)丿
是非是非、ヨロシクとお伝え下さい。って、なんじゃソレ(≧∇≦*)エヘ

momo さんのコメント...

四谷シモンは唐十郎の状況劇場時代、女装の役者だったそうですね(受付の女性からきいた)そういえば、横尾忠則の舞台ポスターに四谷シモンの名前があったことをハッと思い出したのでした!今頃それに気がつくなんて!人形たちの冷たさには生命は感じないのですが、魂を感じちょっと怖くなります。

スタッフの女性がとても親切で気持ちよく人形たちと対峙できました。meguさんもいつかいけますように。そのときは声をかけてください(^^)

匿名 さんのコメント...

ホント。素敵な結婚記念日をプレゼントしてくれたご主人に拍手♪
ご馳走様でした(^-^*)

それにしてもこの人形館。
行ってみたいような気もするけど、
ちょっと怖そう(^-^;)

momo さんのコメント...

みっちさん、書いてくれてありがとう。ここに行くときは午前中の天気のよいときがおすすめです。夕方~夜、しかも雨の日はだめよぉ。絶対夢をみる(^^;異界に浸りたい気分になったら来てね!