2006年6月28日水曜日

アガパンサス


アガパンサスがもうすぐ開花。名前をすんなり言えるのは少し自慢かな。友人は「吾がパン刺す」と意味を無理やりこじつけて覚えたそうです。

この花の蕾はまるで鳥の頭のよう。

2006年6月27日火曜日

ガレとトケイソウ


5月にトークした「ガレとドーム兄弟展」の展示作品の中に、「トケイソウ」という国宝級のガレの作品があった。マルケトリ(ガラス象嵌)が施された、ためいきの出るような美しい作品で、案内しながら嬉しかった。

モチーフに使われているのが、トケイソウ。隣家の塀に繁茂しているこの花は、実に奇妙な雌しべと雄しべをもっている。日本人にはまさに長針と短針だが、キリスト教世界のヨーロッパ人にとってはキリストの磔刑を想起させるらしい。雌しべと雄しべが木槌と釘だということらしいのだがこれは「パッシフローラ」(直訳すると情熱の花、もしくは受難の花)世界観、宗教観の違いが花の名前にも色濃く出ていておもしろい。

「放ったらかしなのよ」と隣人が笑う中、トケイソウはたっぷりの日差しと雨をうけて、人間界の思惑を知ってか知らずか、のびのびと繁茂し、ことしも陽気に咲いている。

2006年6月19日月曜日

『チーム・バチスタの栄光』


開いたが最後、もう閉じることができない本とはまさにこれ。
「子供の手術はすべて成功したのに大人にのみバチスタ手術の
失敗が生じたのは何故か」
寝床で読みながら眠りについたせいか、夢の中まで犯人探しの続き。

眠りの底で掴んだのはこうだ。
「患者自身が犯人だった。桐生医師に『殺してくれ』と依頼したのだ」
何と素晴らしい謎解きだ。感動のあまりガバっと跳ね起きた。

午前中、家事は放ったらかしで続きを読む。
そこへ突然、「白鳥」なる人物が降ってくる。
田口だけでも十分魅力的だったのに、なんなんだ、
このトンがったキャラクターは!

アルマーニっぽい紺のスーツ、黄色いカラーシャツ、真紅のネクタイ。
「好意的に表現すればすてきな服の下品なきこなし」(田口の弁)

白鳥が登場するや、舞台はさらにひっかき回されおもしろさ倍増。
とにかく、読んでみて下さい。最近のミステリではピカイチ。

著者は海堂 尊(かいどう たける)勤務医。1961年生まれ。
田口と著者がダブる。

本の詳細はこちらをどうぞ
http://tkj.jp/book/book_01507901.html

2006年6月7日水曜日

イサム・ノグチ美術館

3日、高松市牟礼町「イサム・ノグチ庭園美術館」へ研修旅行。 案内所に晴雨兼用の黒い傘と麦わら帽子。虫除けスプレーが常備。 この日のためにイッセイミヤケでキメた仲間が カールおじさんの麦わら帽子をかぶる姿は見ものだった。

古い民家を移築した展示館には代表作「Energy Void」。 見学者の入館確認の後、大きな引き戸を案内係がおもむろに開ける。 風とともに外からの光が差し込み「Energy Void」が黒く浮かびあがる。 その演出に全員が「おおっ」と声をあげた。 引き戸の向こうにはヤナギが揺らぎその風は正面のクスノキに流れる。 作品の磨き作業に携わった、ボランティアの町民はこの風を 「イサムだ」と言ったそうだ。


案内係のIさんの姿(イラスト)は今でも心に残る。黒い上下に布製ブーツ。 上に羽織っていたのは紬風の丈長ジャケット。中高の小顔美人。 外国人も大勢おとづれる場所なので、語学も堪能なのだろう。 年齢は40代なかばかなあ。 引率したわが美術館の学芸員Mさんによると 「彼女のすごいところは、誰にたいしても同じ姿勢で接するところ。 世界からVIPがやってくるけれど、デートでやってきた男女だろうと散歩のおじさんであろうとその丁寧な態度はかわらないのよね」

庭園の中には、ダンボールですべると楽しそうな、巨大な お饅頭の形をした丘がある。テッペンに登るとどこかででいい香りがする。 鼻で探すと背面の藪にスイカズラ(ハニーサックル)が咲いていた。 ここからは五剣山を向こうにして庭園をぐるりと見渡せる。 ここで、お山の大将になったんだろうな、イサムちゃんは。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
参考までに イサム・ノグチ庭園美術館  http://www.isamunoguchi.or.jp/gamen/home.htm
スイカズラ http://www.e-yakusou.com/yakusou/250.htm