2009年2月4日水曜日

彫刻家のスタジオ

昨年の12月16日、”サムライ・アート”と称される、世界的規模の彫刻家・流政之(ながれまさゆき)氏のスタジオを美術館仲間と訪ねる。庵治半島をぐる~っと回った突端にその場所はあったが、行けども行けどもたどり着かず、やっと見つけたそこは「海を臨むレンガの要塞」とあだ名されるにふさわしく、見上げるほどのレンガの壁で囲まれたところだった。
中庭から見上げた工房(邸宅?)
指をさすK氏は「アルハンブラ宮殿」を連想し、私は「ラピュタ」を想う。
彫刻が完成すると、まずこの、海につきだす庭にしつらえた「舞台」に置く。誰よりも早く瀬戸内海が鑑賞者となり、同時に背景にもなる。
庭に創られた建造物。レンガの囲いの中は響きが美しく「歌ってみてよ~」と仲間に促されたが、恥ずかしいので辞退。中は紫色に塗られていたが、流氏の気分しだいで時々色が変わるそうだ。カメラを向ける私が映りこんでいるピカピカの台は「ハナコン」(メスキツネの彫刻)を展示する台(ただ今美術館で展示されているのでハナコンは留守)
囲いの中からみた空。すぐに直島のジェームズ・タレルの空を連想。切り取られた空のブルーが目にしみる。
流氏が世界中から集めてきたものが建物の中にも外にも点在する。入り口にあった木彫りの天使がウェルカムボードのよう。私のお気にいりである。現在進行中のアトリエも見学させてもらう。ここは未発表の作品がたくさんあるので撮影禁止。ゆっくりと石の彫刻を味わったのち、案内してくれた聡明で美しいスタッフの女性にお礼をいってスタジオをあとにした。乗り合わせた4台の車でそれぞれに帰路につく。私たちの車は半島にあった「ホピ村」というカフェで一息。コーヒーを呑みながらアートな空間の余韻に浸った。

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