2011年1月30日日曜日

男声合唱フェスの和装猛者


わが団の、数人の男性団員は他の男声合唱団にも所属している。その彼らが「ぜひ、聴きにきてや~」と言うので団の有志でに聴きに出かけた。私はここぞとばかり、気合で着物をきていく。

香川県から2団体、愛媛からも2団体、高知からひとつ、徳島は今回不参加。特別ゲストの団体として京都のグリークラブが参加していた。男声合唱のよさはやはり無伴奏かな。画像は全団体の合同演奏『富士山』。ダイナミックなハーモニーに酔いしれた。

さて、この女性、私じゃありません。なら、何故登場したのでしょう…
実はコンサートの開場を待つ間後ろに並んでいた女性で、着ていらした白いモコモコの防寒コートがあまりにもかわいかったので、「すてきですね。白い和装のコートは珍しい」と話しかけたところ
「母から譲ってもらったコートなんよ」との応えから会話が始まり、着物談義へ。

何とこの格好のまま、スクーターで会場にやって来たという。
「じゃ、この姿にヘルメットですか?」「そうよ~、いつも着物だから慣れっこよ」
「え?掃除も炊事も?」「そう、365日ずっと」
な、なんたる和装の猛者!
「ご職業は何ですか?」「三味線やってんの」なるほど…

帯だけでなく「着物も二部式に簡便にしたら、お尻から破れた」とか
「この小紋は二千円よ、わはは」とか
「腰紐は絹よりニットがいい。古いニットを細く切って紐にすると、きっちりしまってなおかつ必要なときは伸びるので、日常着はこちらがいい」などなど、目からウロコな話が機関銃のように出て来る出て来る。会場の扉が開き、じゃあ、また、と別れたけれど、連絡先を聞けばよかったと本気で後悔している。でも、またどこかで会いそうなそんな予感もある。

さて、この日の私の着物。洋服にしようか、着物にしようか、雪降りそうだし、寒そうだし、と
着物を着ないで済む言い訳をいっぱい考える。11時半に、うちにTさん親子がお迎えに来てくださることとなっていたので、「11時までに着付けできなかったらあきらめて服にしよう」と決心。結局は11時15分まで、50分ほどかかってようやく着ることができた。


生成り地に薄紫の小さい模様の正絹小紋の袷。模様が何が描いてあるのか、はっきりしないのは季節を問わずオールマイティという意味になり、このあたりが心憎い。八掛け(裾のところの裏地)はぼかしになっていて私にしては、ちょっと粋(むふふ)。もちろん、リサイクル店にて入手。

ついでに帯締めの位置だが(帯のまんなかの紫のヒモ)「まんなかの位置でギリギリです。おばさん世代はそれから下に結ぶこと」だそうです(先生談)

それにしても、着物の着方が下手ですね~。おはしょりがヨレている、ぐはは。


帯は織りの名古屋帯。柄の入り方からして六通柄かな。全部に柄が入ると、全通柄というようだ。こちらは嫁入り時に持ってきたもので、先日和ダンスを整理していて発掘(?)した。知らない帯が2本も出てきてびっくり。冷静になって考えると、着物に興味が無かったので「どげんね」(どう、これ
)と母に見せられても「ふ~ん」で素通りしたのかもしれない。この小紋の上に紫の道行き、赤いストールで仕上げ。

《翌日追記》
コンサートの翌朝、生ゴミを出し、コーヒーを飲んで一息ついていたところへ、昨日舞台に立ったT氏から来聴お礼の電話が入った。
「着物で来てくれてありがとな。嬉しかったわ」
彼を含めて、会場であった女性団員も
「どれ、後ろをみせてや~、上手に結べてるで。頑張ったなあ」と誉めてくれた。
皆も喜び私も喜び、いい一日だった。

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