と書くと、まるでメロドラマの悲しい結末のようだが、その道行きではなくて着物のコートのこと。殿と一緒に初めて着物で外出するので、慣れた紬にしようと選んでいたら、コートが紫の絞りしかないことが判明。
確か、叔母からもらった、もっと普段着に近い素材のものがあったはず、と箪笥の引き出しの中をひっくり返したが、どうしても見つからない。
着物には面倒な「格付けランク」があって、確かめたわけではないけれどおそらく紬には、こういった絞りの、しかも高貴な(?)紫は合わない気がする。
仕方がないので、あまり着慣れていない「やわらかもの」の小紋をひっぱりだしてみたところ、嫁入りに持ってきたまま、まだしつけ糸がついていたので、座り込んで糸をとる。羽織って練習してみたら、背中がプチっ、お尻がプチっ、と縫い糸が切れた。
布はきれいだけれど糸がものすごく弱っていて、少し力をいれると切れてほつれてくる。再び座り込んでチクチクチクと補修。和裁はすごいです… 粗い縫い目で、表にひびかせずに縫うことに徹底している。普通の縫い方と違うので、肩が懲った。
こちらが出かける直前の画像。苦労してつくろった小紋の上には母からもらった紫の絞りの道行き。母は私より13センチ背が高い。にもかかわらず母のものを着られるのが、和装のすごいところ。
紫のコートに赤のストールでもおかしくないのも和装のいいところ。色や柄の組み合わせが何でもありなところがある。
着付けの先生のお話によると、羽織はジャケットのようなもので室内でも脱がなくてOK。対して道行きや道中着など、コートは洋服と同じで訪問先やレストランでは脱がなくてはならないそうだ。
この日は話題の映画「レ・ミゼラブル」を観に出かけたが帯のお太鼓がうまくできなかったので、ずっ~っと道行を脱がずにいた。隠していられるというのはストレスが無くていい。
ただ、映画の3時間(間に10分の休憩)は背中に枕を背負っている身には、ちょっとキツかった。映画については後日書く。あまりにも素晴らしく、ついでには書けない。
本日の着付け反省点。全部着た後、小道具が一つ残った。着物をきっちり押さえる伊達締めをつけていなかった。帯揚げを忘れるのはたびたびだが、伊達締めを忘れるとは。時間がなかったのでそのまま出かけた。嗚呼。
5 件のコメント:
道行コートがとてもよくお似合いです。
道行がすんなり板につくようになったら、
和装もベテラン級の域ですね。
いいなぁ~。
すっかり着物から遠ざかって何年経つ>ぢぶん
実を申しますと、私、親元を離れてから何度もひとりで着物来て、迷うことなく外出して来た。ただただ怖いもの知らずの無手勝流。きっとすごーくトンチンカンで変テコリンな着方してたと思うんだ。何も知らないって、強いよねー。あ、いや、コワイよねー(^^ゞ
★meguさん
道行は初心者を助ける鎧のようなモノ☆\(^^;)
羽織は短いものばかりなのと、今の好みにあうものが全くありません<お嬢さん風なものばかり
meguさんには粋な着方が似合いそう(^^)
★nonoさん
へ~へ~、すごいです、それ。
私は着せてもらうことしか出来なかったので
友人や身内の結婚式に出たときに訪問着をきたことしかないの。
着物教室でガンガン指摘されます。
「あなたそれ、夏のお襦袢よ」
とか
「その帯締めは夏物です」
「普段着に綸子の帯揚げはしないものよ」
などなど…
びっくりすることばかり。
だから着物を皆敬遠するのよね…
何がスゴイかって、無知ほどスゴイものはないと(^〇^;; お仲人さんとこへはじめて挨拶に行くのに紬、お正月の集まりにウール、帯締めも帯揚げも、あればいいんでしょってな程度で。
己が見えてないって、ある意味、楽チンではありますが~(><)
だからね、momoさんの日記を読みながら、へぇ~、そうだったのかと、勉強させてもらってまーす(^^)/
私とてここ数ヶ月で知ったことばかりで
先生の話を伺うたびに「へ~へ~」と感心することだらけ。この年齢になっても知らないことだらけよね、ほんと。一緒に学びましょうぞ。
コメントを投稿