2011年5月22日日曜日

想定外の答え

1966年《人差し指》
先日の「トリックアート展」の案内は、さほどに混乱なく無事に終えた。ただ、一度だけだけれど、お客の想定外の答えにあわてる。

日本を代表する抽象彫刻家の一人、堀内正和の「IKOZON」シリーズ作品《人差し指》を紹介したときの出来事。画像でみるとわかるように、円筒形の穴の中の指が拡大されて見える。穴の入口に凸レンズがあるかのようなトリック。

70代とおぼしき感じのよい女性に「この穴に凸レンズがはめてあるかどうか代表でそばに寄って覗いて頂けますか?」とお願いしてみた。

「いかがですか?レンズは入っています?」当然、「何にも入っていません」と反応があると思いきや「見えました。凸レンズがはめてあります」
いやはや、これにはまいった…

レンズなんぞ無いのですっ。だからこそトリックなのだ。想定外の答えに一瞬言葉が詰まったものの、「そのようにお客様が勘違いをするほどによくできたトリックですね」と汗をかきながら取り繕う。

案内終了後、ボランティア控室で、反省会と称してお茶しながらこの話を仲間に披露。「それはありうる!」と皆がお腹を抱えて笑った。おいおい、他人事じゃないぞよ…。

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