2009年11月17日火曜日

”うそつき”


袖部分だけ長襦袢もどきになった半襦袢と、腰巻下部分がすべりのよい生地で、着物からチラ見えしてもよいように工夫された、上下のセットを”うそつき”と着物用語で言う。

通常、着物を着るときには下着に相当する肌襦袢と腰巻、その上に長襦袢と、着物を実際に着るまでに二つのハードルがあるのだが、この「うそつき」では二つが合体し、楽に着られるようになっている。きっと着物が日常着だったころの女性たちも、あれこれ重ねるのは面倒だったのだろう。

着付けの本で最初に”うそつき”という名前を発見したときは、ナンジャコラ状態で、説明を読んでも何でこれが”うそつき”なのかさっぱりわからなかった。それが、帰省したおりに偶然母から譲り受け、家で着用してみてやっと「ほ~、それで”うそつき”というのか」と理解できた。袖さえいろいろ作っておけば、どの着物にも対応でき、オールマイティに使える優れもの。

それにしても、例えば「簡易襦袢」とか命名しようと思えばできただろうに、何とストレートな、ネーミングでしょ。昔の女は潔いなあ。

2 件のコメント:

石松 さんのコメント...

今の女性もとっても潔い気がしますが?
おいらの気のせいでしょうか?(^_^;)

母から娘への伝承ってエエですね♪

momo さんのコメント...

きっと石松くんのまわりのオバサンたちが「特に」潔いのかもホホ。