2010年12月4日土曜日

豊島へ(1)-豊島美術館-

昨日の嵐のような天候がまるでウソのような4日(土)の超快晴。美術館仲間13名で”アート研修”と銘打った豊島探訪をしてきました。高松港9時07分発の高速艇(往復2600円)は瀬戸芸も終ったというのに満席。作品がいくつか残っていることと、ベネッセの新しい美術館「豊島美術館」を、瀬戸芸パスポート提示で、無料鑑賞できることも人気を集めているようです。おおよそ50分の乗船で豊島の家浦港につきました。そこから島内を走る無料巡回バスに乗車。
バスも当然満席で、ギュウギュウ詰めでした。豊島の一番先の訪問は森万理子のトムナフーリ。
「森万里子に似た名前の作家がいたよね、森鴎外の娘のほら『贅沢貧乏』の…」とそんな話をしているうちに目的地到着。

 森万里子の「トムナフーリ」を探して山へ入ること4、5分。この日は晴れていたので、足元はぬれていませんでしたが、バス停横の小屋(ここがチケット販売所300円)には長靴が10足ほど用意してありました。

 「トムナフーリ」とは、古代ケルトの霊魂転生の場なのだとか。ニュートリノのなんたらかんたらでどこうやらと交信して光の放つのです。日が落ちるとその様子がはっきり見えるのですが、今は昼間なのでこんな状態。それでも中には黒いもやもやが見えて「どこぞと交信しているのね」と神秘的でした。沼というか池というか、そこに映るトムナフーリがおもしろくて見入ってしまいました。夜来るといい、と知ってはいてもこんな山の中を訪れる勇気はありません…
余談ですが、作者の森さんのおじいちゃんは森ビルの創業者です。


次に向かったのがこの10月にオープンしたばかりの「豊島美術館」。薄紫の花※が咲き、奇妙な種をもつ植物の向こうに見えるのがソレです。お碗を伏せた形のおもしろい建物。そんなに感動はないだろうとなめてかかっていた私は大バカものでした。事前のニュース等で天井の切り取られた空間ばかりに目が行っていたのですが、メインは足元でした!「足が濡れることもあるので、そういう方はソックスをご用意しております」と係りの女性の説明にいったい中には何があるのか?と興味津々。
※花はオオセンナリ。有毒植物だとか。サルマタさんありがとう。
打ちっぱなしのコンクリートに靴下だけの足を置くと、冷たい。異常に冷たい。目をこらすと水銀のようにまるまった水滴があちこちに点在。昨日降った雨が天井の大きな穴から落ちてきたのかと思っていたら…

ひえっ、水滴が動いた。合体した。いや、こっちではピンポン玉サイズの球体から水が湧き出ている。ものすごく奇妙な生き物が足元で何やらうごめいているようです。そういう光景が体育館のような広さのだだっ広いところで、ちまちまちまとおこり油断ならない状態です。なぜ水滴が床に浸みて濡れないか、水銀のようにスススと移動するのか、その答えは体では感じることのできないわずかな傾斜と、床の仕上げ剤に秘密があるようです。目で確かめたくて、じっと観察していると、足底は冷える冷える。座り込んで眺めている若い女性がひとり。おそらく30分以上はそこにいたような雰囲気でしたが、お腰を冷やしてはいけませんよ~。

天井の楕円の大きな穴は2箇所。そこにはクモの糸のように細~いヒモ状のものがゆらゆらゆらゆら。外の風のままに漂っています。大気が私に話しかけているかのよう(何て詩人なんだ>じぶん)

 こちらは隣の建物のミュージアムショップ。リンゴと洋ナシのペーパークラフトのメモ帳が気になったものの、見事な出来に圧倒されてもったいなくて使えないだろうと思ったので買いませんでした。
 バスで「島キッチン」へ。ごらんのように建物自体が作品です。鑑賞代と食事代を含めて1500円のランチ。13名と、我々の人数も多かったので当然予約。

 会期中の8月9月は、ここで涼をとる観光客の姿がTVで流れていました。今はひっそりとしています。
 こちらは屋内。ガラスで仕切ってあるので全然寒くありません。満席で、空くのを待っている人たちが10名はいたでしょうか。

 こちらがランチ。ごはん、けんちん汁風の具だくさんのお汁。野菜とスズキの蒸し物(超うすあじ)。あと煮物とサラダ。漬物。

「もしも、これをうちで食べていたら、絶対醤油かポン酢をかけたわね」
「今晩は焼きソバとか、肉とか、味濃いもんが食べたいなる…」
以上、女たちの感想でした。 きょうはここまで。食後のアート鑑賞レポは後日。

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