日曜日、隣町で開催されたフリマを冷やかした。会場で真っ先に目に付いたのがこのブース。60代後半とおぼしき女の人が、絵ハガキを広げている。ほとんどがいわゆる「名画」で、
「これは全部美術館に直接行って集めたのですか」と聞いたところ
「そうよぉ、イタリアのウフィッツィ美術館のもあるわよ。あちこち行くのが好きで十数年かけて集めた絵ハガキなんだけれど、もうそろそろ『人生のお片付け』をしようと思って。図録や本もあるから見てってね」
ざっとながめただけでもフェルメールに、ベラスケス、モジリアニ、ルノワール、夢二に遊亀、小磯とジャンルや時代、国を超えてのおびただしい量と種類に、理性がとんでしまいそうだった。
「写真をとってもいいですか」と尋ねたところ、びっくりした顔で
「え~、何でぇ?」
「いえ、『人生の片付け』に感動したものですから。お顔は写らないようにします」
「まあ、ありがとうね。よかったら撮って」
キリが無いのでとりあえず5枚だけ買うことに決めたのだが、悩むこと悩むこと。絵はがきの山をひっくり返しつつ、隣の客の選んだハガキが気になってチラチラみたり…。何とか選んだ絵葉書5枚(計100円)を小さなビニールにいれてもらい受け取ったときには、秋の日差しが強かったこともあり、汗びっしょりになっていた。
後ろ髪をひかれる思いで、
「暑いけれど、お店番がんばって」とエールをおくってその場を去ったが
「これからはねぇ、『源氏』だけを読んで行こうと思うの」という彼女の言葉がいつまでも心に残った。
5 件のコメント:
私もね、これ思ってました。
絵葉書もたくさん、しかも美術展のがあります。
台所用品、本、アルバム類、洋服etc
まだ、人生の片付けの準備というか、
中間整理というかですけど
一人で片付けするより、
思い出話なんかしながら、
整理してもらってくれる人がいればいいなあ・・
この手の需要はないか?
時間がたっぷりあって、
いろんな話を聞いてくれる人がほしい。
それも人生の片づけをしながらってのはいかが?
そうだね~、かんさんだとまだまだ中間地点だし、人生を彩るための物欲もあるでしょうし(^^)
いいねぇ、片付けをしながら、そのモノにまとわりついているコトを話す、聞く…
いつかそんな夜を女数人で過ごしたい。
人と話すって大切だと思う今日この頃
病院のベッドの上には思い出だけが持っていけたよなぁ(^_^;)
う~みゅ…
まだもう少しいろんなものを貯めたいな…
なんて思っちゃった石松であります♪
お久しぶりです。いつも母とブログを見ている2児の母です。
この人生の片付け・・胸に響きました。
まだまだ、片付けるほど人生生きていませんが、60歳になったらこんな風に人生をリセットしてから折り返せるような素敵な人生にしようと今日はがんばる綾ちゃんです♪
最近、母が家計簿やら人に見つかると困るものをやたら処分しています・・(;一_一)
なんだか、楽しそうです!
又、松山に来た際は話聞いてあげてくださいね~
★石松くん
私が数年前、盲腸で入院したときは、退院したら何を食べようとそればかり考えてた(^^;)
病院は不思議なところだよね~。
喰ちゃ寝ばかりの6日間だったのに、カロリー計算された食事のおかげで、退院したときは2~3キロ痩せてました。お腹もペタンコ。
★綾ちゃん
おお~、久しぶりです(^^)
チビちゃんたちの子育てに奮闘していることと思います。うちの孫も、幼稚園の初運動会が近々あります<見にはいけませんが
〇ッコさんが、お掃除ついでに処分している姿を想像して噴出しました。まあ、私も似たようなもので、写りの悪い写真とかはトットトットと捨てています。
また、松山にいったらおしゃべりするのが楽しみです!
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