2005年7月24日日曜日

手術

            

13日、 病院へとびこんで、手術台に至るまでがおおよそ3時間半。恐怖を感じるまもなく、気がついたらマナ板の上に転がっており、頭の上には照明が10個ついた器具があり、スポットライトを浴びていた。まるで未知との遭遇の円盤みたいだった。

「おなかをきれいにしますね」と、ヘソのゴマの掃除をしてもらう。ゴマがあんまりなかったようで、「きれいだ」と褒めてもらった。ヘソをほめられたのははじめてだ。

「音楽を聴きますか?」と看護師がヘッドホンを持ってきたがすでに手術室にはBGMもかかっていたし、執刀の進行を耳で確かめたかったのでお断りする。執刀前が「サウンド・オブ・サイレンス」、手術たけなわのときは「素顔のままで」(ビリー・ジョエル)だった。

「ただいまから手術をはじめます。よろしくお願いします」 とまるでドラマのように先生がまわりに声をかける。 「メス」…う、ついに切る。もしかしたら電気メスかなあ、だってハンダゴテのような匂いがしたもの。時々グッとヘソの上あたりをひっぱられてるような感触があった。

切り取った盲腸を見せてください、とお願いしていたのだが、切除してすぐ先生がみせてくれたソレを、ど近眼の目を細めてみる。さっきまで私の体の一部だったソレは血まみれでちょっと太目の粗びきソーセージのようだった。これは組織検査に出すのだそうだ。 お腹を縫って手術終了。

その直後に寝た状態のままレントゲン。 「もしかして腹の中に器具のおき忘れがないかチェック?」と邪推。 そのまま4人部屋の病室へ運ばれる。
翌朝、隣のベッドの人が
「先生も、手術室の看護師さんも、美形ぞろいやったろー」 と声をかけてきた。
「先生はなかなかの男前だったけれど、看護師さんはマスクをかけた顔しかみていない」 と答えると 「そりゃ残念。病院側も気をつかってこの世の土産に美形を取り揃えているらしいよ」
と術後まもない私を笑わす。あとで知ったのだが、彼女はがんの手術をしたのだった。

※画像は手術の翌日、運動がてら、売店まで行ったときのもの。点滴のお供を連れて歩いたのは初めてだった。もちろん、携帯OKの場所で撮影をした。

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