2008年9月6日土曜日

『シズコさん』


絵本をなめていた私が見事にノックアウトされた『100万回生きたねこ』の著者、 佐野洋子の新刊エッセー『シズコさん』です。読後の第一声が「よくぞここまで正直に」でした。 「子どものころから母親が嫌い」だった著者が認知症になった母親の介護を通し 自分の来し方や、母親との関係を振り返るエッセーです。

すべての女性はどこかに大なり小なり母原病を抱えていると思うのですが、 著者の場合「嫌い」と言い放ち、そんな自分をうけいれることで、あらたな母親との 関係を築けたのだろうと感じました。心情的にも、またお金のからむ話でも赤裸々に 書いていて、ええかっこしいの私には、そんな著者がまぶしく見えました。

今、ご自身のおかあさんの老いと身近で向き合っている方はヒリヒリの度合いが 強いかも知れません。老親とは遠くに住む私でもいくつかの箇所で涙しました。 私自身は、両親が元気なのをいいことに、弟夫婦にまかせっきりの、 実にどうしようもない姉であり娘ですm(_ _)m

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