2005年5月9日月曜日

『対岸の彼女』

図書館に予約していた本が来た。ー私っていったいいつまで私のまんまなんだろうー で物語は始まるのだが、子供の公園デヴューでつまづき公園ジプシーするヒロインが描かれていたりするので子育てがずいぶん昔だった私にとっては、へえ、ほう、と驚くこと多し。

女特有のこだわりが描いてあるのは乃南アサと似ているが、文章はあっさりかな?もっともあのアサ様のネチっこさが 良かったりもしますが。本の厚さは2.3センチ。ゆうべは本をとり落として寝てしまっていた。この調子だと読了まで時間がかかりそうだ。
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<続き>
さきほど読了しました。 恋愛のれの字もない、殺人もおきない、離婚して生きなおす、なんてこともない、女の大成功した起業物語でもない、それなのにドラマチックでした。葵とナナコの、葵と小夜子のそれぞれの向きあい方を「対岸」と称したのかなあ、と思っている。時間をからめてうまく進行展開し、緻密に構成された小説でした。等身大の冒険小説といえるかな。身の回りにはまだまだすごい題材があるんだとほとほと感心しました。おもしろかった~。

最初の印象とは違って乃南アサとはまったくタイプの違う作家だった。どちらかといえば村田喜代子に似てるなあ、と感じた。つまり、かなり私の好みってこと。女たちの静かな雄叫び(雌叫び?)が聞こえる。おすすめです。

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