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外出から戻ったところ、駐車場に水がめがひとつポンと置かれていた。メモも何にも無かったが、誰が置いて行ったかは簡単に察しがつく。電気釜のKさん※だ。
翌日、麻紐を鎖編みし、簡単な紐を作る。水道に固定するためだ。何故固定するかというと、前もらったかめが、台風で倒れて割れてしまったからだ。
数年前のことなので、Kさんは忘れていたのかと思ったのだが、ちゃんと二つ目を持ってきてくれた。彼女のうちは農家なので、こういったかめが納屋にゴロゴロしているそうだ。
にわか作りの縄(?)で固定して、風呂の残り湯を洗濯用ポンプで注ぎ、ぬめり防止に木炭を少し。これで「渇水対策中」でも、堂々と植木に水が遣れる。
ありがとう、Kさん。
………
※電気釜の説明
中学生のときに母親を病気で亡くしたKさんに、担任の先生が暮らしぶりを心配してこう聞いたそうだ。
「ご飯はどうしているの」
それに対して彼女の返事はこうだった。
「はい、電気釜が炊いています」
その話をきいて以来、敬愛の念をもって彼女を「電気釜のKさん」と秘かによんでいる。